(1) 米のとれる土地をつくろう

④ 工事がすすまない!

瀬兵衛は、たくさんの人夫にんぷをあつめて、せきをつくる工事を始めました。しかし、工事のとちゅうで、何度も大水のために、つくり上げたせきが流されてしまいました。
「今までのせきのつくり方ではだめだ。もっとじょうぶなせきをつくらなければ・・・。」
瀬兵衛は、どんな大水でもこわれないせきをつくれないか、何度も考えました。そして、苦心くしんのすえ、今までのせきよりずっとじょうぶな新しいせきを考えました。

このせきは、川底かわぞこに多くのくいを打ち、その中に石を入れたたわらをしきつめ、木のたばをわたして、だんだん高くしていくものでした。このせきの形が、むかしの「よろい」(戦いの時に身に付けて体を守ったもの)のように見えたので、「よろいぜき」とよばれました。

堰段鎧之図
今から100 年ほど前にかかれたよろいぜきの様子 「堰段せきだんよろい」(柏崎土地改良区 所蔵)
昔のよろい
昔のよろい

今までのせきは、「草ぜき」と呼ばれていました。
川の中に大くいをならべて打ち、木のたばを当てて組み、その上に土のたわらを積んだものでした。
あまりじょうぶではなく、大水のたびにこわれていました。

よろいぜきは、今までのつくりとどこがかわったのかしら。